石築地
(生の松原地区元寇防塁)

福岡市西区生の松原
 生の松原地区の石築地建築と防衛を担当したのは肥後国で、当然菊池武房はここを担当している。
 でもって、石築地の上でくつろいでいる姿はしっかり竹崎季長によってスケッチされ、『蒙古襲来絵詞』に掲載されている。
 蒙古襲来のみならず、当時の菊池一族の軍団編成を伝える貴重な資料となっているのだ。

 武房と共に座っているのは、武房の真右が弟の副将赤星有隆。そして他の五集団を率いるのは、二つは西郷隆政、城隆頼が有力で、他三つは城隆経、加恵隆時、本郷実照、菊池隆頼あたりのようだ(参考:阿蘇品保夫『菊池一族』、大倉隆二『「蒙古襲来絵詞」を読む』)。
 ここで季長は先の文永の役で武房が活躍したことを明記し、そして自分が敵船に切り込むのを見届けてくれと武房に伝えたらしい。

 武房はこの上から写真左下のような海を睨んでいたのだろうか。