菊池氏館
(仮称)

場所:菊池市隈府
 字土井ノ外にあたる地域で、隈府館の南東にあたる菊池高校敷地内で発見された。
 当初は隈府館がいわゆる守護館と考えられていたが、立地的にこちらの方が守護館で、隈府館は菊池氏の私邸であると考えられるという。
 青で囲ったあたりが境界線だという。発掘調査時の俯瞰写真の堀にあたる部分みたいだ。堀断面と井戸は保存されている(最下部写真)。

 目の前には将軍木が立ち、さらには松ばやし能の能舞台があるが、ここが菊池館であるならば、ここに能舞台があるのも整合性がつく。
 つまり、従来はこの菊池館の前で能が行われていた。しかし、菊池館が消失しその存在も忘れられ、能の話だけが後世に伝えられた。
 その中で、なぜこの場所で能が行われたかわからなくなった人々は、「征西将軍宮になぞらえた『将軍木』の前で能を行うのが伝統だったのだ」という伝承を作り上げた、ということだ。なるほどなぁ。

※以上は青木勝士さんからお伺いしました。ありがとうございました。