今期の王位戦、羽生善治vs藤井猛という棋界でダントツの人気を誇る二人の対局だ。一昨年の王座戦もこのカード(3-0で羽生防衛)だったのだが、王座戦が九州で行われることはほとんどない。西日本新聞社が絡んでいる王位戦はほぼ毎回九州で行われるのがありがたい。今回やっと藤井九段に会えるのだ。
今回は遅刻してしまい、到着したのは市長代理の挨拶途中。ということもあり、最初は良いポジションは取れなかったが仕方がない。
歓談が始まると、いつもの作戦通り人が殺到する両対局者は後回しにして、まず副立会人の山崎隆之七段の元へ。
前日の竜王戦トーナメントのこと、更科食堂に貼ってあった記事のこと、兄弟子にあたる村山聖九段の前田アパートやお墓に行きましたよ、なんてことをお話しした。感じの良いお兄ちゃんで、村山九段のお墓をよく見つけましたね等々ゆっくりお話ししてくれた。
揮毫をお願いしたら、していいのかどうか戸惑っていたが、なんと対局者の藤井九段が近くで揮毫に応じていたから、「いいみたいですね」ということ応じてくれた。たしかに、通常対局者は応じない。しかし、一昨年の佐世保も深浦、広瀬両対局者は応じていたし、長崎のお国柄がそうさせるのだろうか。そのことをお話ししている中で、広瀬「六段」の揮毫を持っているのは貴重ですね、という話になった。
次は隣にいた室田伊緒女流初段だ。
室田さんは、なんと囲碁の井山裕太4冠と今年5月に結婚した新婚さんだ。室田さんとは2010年2月の王将戦前夜祭@松江でもお会いしているのだが、その時より数段きれいになっているように感じるのは、人妻の色気だろうか。その時の揮毫は「思無邪」だった。結婚して井山姓になっているが、棋士活動は室田のまましているそうだ。
藤井九段の方を見ると、そんなに人だかりがない。よくよく見ると、羽生王位も同じだ。前回の佐世保同様、参加者は食事に殺到している。これも長崎のお国柄なのだろうか。ともあれ藤井九段の元へ。将棋ファンの人気は羽生さんに匹敵するが、独創的な序盤戦術と、独特のキャラが魅力だ。
将棋講座や解説を楽しく拝聴していること、そしてぼそぼそしゃべっているようで、声が耳に入ってきやすいことをお話ししたら、ご本人もぼそぼそしゃべっていることを自覚しているようで、聞きやすいなら良かったととのことだった。二日制のタイトル戦については、やはり「いっぱい考えたいので、二日制の方が好き」だそうだ。揮毫もOKしてくれた。しつこいようだが、通常対局者はNGなんだがなぁ。
羽生さんの前に、立会人の加藤一二三九段。過去の九州でのタイトル戦の多くに立ち会っている印象がある。私がお会いするだけでももう4度目にはなる。加藤先生は全く覚えていないことが分かったが、今回が一番たくさん話してくれた。
ユニークなキャラばかりが先行してるが、最近歴代二位タイの1308勝を挙げたお方であらせられる。
そして羽生さんへ。すると、会うなり「あ、お久しぶりです」との一言が!苦節4,5年、やっと…、やっと覚えてくれたか!自分が羽生さん似ているということに「うん」と無理矢理言わせたり、娘さんの話をしたり、携帯電話を持たなかったり車の運転をしない理由を聞いたり、公文式CM時代の人形を持参する等々、他の参加者との差異をアピールをし続けたのが功を奏したのか。覚えてくれたのは深浦九段に続いて二人目だ。
そういえば、昨年の熊本の時と言い、今回と言い、関係者挨拶時に椅子に座っている羽生さんが、私の方をチラチラ見ている気がしていたのだが、自意識過剰すぎで勘違いだと思っていた。しかし、やはり私の存在を意識していたのか(たぶん)。
羽生さんと写真を撮るのは結構な回数になるが、カメラから視線を外されていることがある。おそらく、フラッシュを気にしていらっしゃるのだろう。何人とも撮影するので、フラッシュが目の負担になるかもしれないのだ。ということで、フラッシュ禁止にしていることを伝えると、ばっちり目線をくださった。
お話した内容は浮ついていてよく覚えていないが、夏は忙しいのはいつものことだが、7月がこんなにスケジュールが過密なのは初めてだとのことだった。それは羽生先生、だって20年近く王座戦の予選出ていませんでしたからね…(笑)。忙しいぐらいが調子が良いといわれるけど、さすがに疲れがきているようだった。がんばれ!
しかし今回はいつもにまして羽生さんがご機嫌だったのが印象的だった。写真のように、羽生スマイルが全開だった。
なお、羽生さんからは揮毫はもらわなかった。対局者だから遠慮したというのもあるが、断られるのが嫌でお願いしなかったというのが正確か。
その後にあるであろう、立会人による展望トークまで会場を観察してみたが、やはり対局者よりも食事、という人が多かったように思う。もったいない…。山崎七段と室田女流初段はずっと一緒にいたが、とてもお似合いの2人に見えた。まぁ、室田さんは結婚しちゃったのだが。将棋界の男どもはなんてもったいことをしたんだ。
やがて対局者が早めに退場すると、おきまりの展望トークに。
全て録画した。3/4が加藤一二三トークショーだったのは言うまでもない。
終了後は長崎の街で深酒をし、翌日は魚見岳台場を再訪し(新しい看板が設置されていたが、夏は藪化がひどくまむしも怖かった)、 野母崎に行って軍艦島資料館を見て帰途についた。今回は台風接近で上陸ツアーをキャンセルしたのだが、今はもう簡単に予約できるようだし、その気になればいつでも行けるだろう。
今回の戦利品。
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大友家の家紋。
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